
1/15(水)に日本eスポーツ連合(以下、JeSU)の経済産業省との取り組みである、第4回『eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会』が開催されましたのでその内容をレポートします。
目次
■開催概要
日時:1月15日(水) 13:00〜15:00
場所:東京証券会館
公式サイト:https://jesu.or.jp/discussion/
■『eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会』とは?
検討会は以下の趣旨で行われています。
一般社団法人日本eスポーツ連合は、eスポーツの健全かつ多面的な発展に向けて、経済産業省とともに、周辺市場・産業への経済効果を含めた国内のeスポーツの市場規模の試算、諸外国のeスポーツの発展経緯等に関する調査分析、eスポーツの社会的意義に係る現状・課題・今後の展望等の整理・検討に取り組むことをお知らせいたします。
そこでJeSUでは、「令和元年度新コンテンツ創造環境整備事業(eスポーツに係る市場規模等調査分析事業)」として、委託者である経済産業省とともに「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」を開催し、下記2点の取組を実施してまいります。
①周辺市場・産業への経済効果を含めた国内のeスポーツの市場規模の試算、海外主要国のeスポーツの発展の経緯等に関する調査・分析を行うこと
②eスポーツの社会的意義について国内の各種取組の現状、課題、今後の展望等を踏まえ整理・検討を行い、一定の示唆を得ること
■検討会のメンバーは?
以下委員名簿を参照ください。オブザーバーの関係各庁に加え、検討会に必要な各分野のプロフェッショナルが集まっています。
https://jesu.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/01_meibo_vol3.pdf
■議題は?
検討会は全5回で構成されています。
本検討の趣旨である①「市場規模の算出・目標設定」とともに、②「市場成長に向けた提言、並びに社会的意義に向けた提言」を整理し、最終的には実行主体となる関係官庁や産業界に提言をしていくという、重要な検討会になります。
今回第4回目の議題は以下です。
■第4回目議題
- ⾧期市場規模目標の確認
- 市場成⾧に向けた提言の確認
- 社会的意義に関する提言
■第4回で使用した主な資料
JeSU公式サイトの以下PDFを参照ください。
https://jesu.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/04_condition_vol4.pdf
以下各議題に対して記載します。
■各議題の詳細
1.⾧期市場規模目標の確認
2018年の日本eスポーツ市場規模は44億ですが、当検討会ではeスポーツ先進国のファン比率や市場規模、並びに日本国内の他のスポーツの市場規模などを参考に、規模の妥当性や予測を含め市場規模目標を設定しました。直接市場の長期目標は、2025年で600-700億となります。
以下に比較参考情報を添付します。市場規模としては他のプロスポーツ市場と比較すると、JリーグとBリーグの間になります。ゴルフやテニスなどの個人競技との比較も今後行われると思われます。
■参考情報
*未来の数字はJeSU事務局からの提案ロジックに基づく暫定数字
尚、直接市場に加え、エコシステム領域、波及領域へ及ぼす経済効果を含めた全体の長期目標は、2025年に2,850-3,250億円となります。政府もこの経済効果による日本の発展を考えています。
(出典:JeSU公式サイト「長期市場目標・市場成長に向けた提言・社会的意義の議題について」)
2.市場成⾧に向けた提言の確認
成長に向けた方向性案は以下の5つです。
- ゲームの魅力向上
- イベントの魅力向上
- 選手の経済的地位向上
- チーム/選手によるファン獲得/コア化
- 法制度/ルール対応ハードルの引下
■具体的な提言内容
(出典:JeSU公式サイト「長期市場目標・市場成長に向けた提言・社会的意義の議題について」)
eスポーツ先進国の事例(韓国のeスポーツ施設や地方政府による国際大会の誘致など)をもとに闊達なディスカッションが行われています。当日配布されたA3シート両面1枚の提言をまとめた「参考資料」は次回5回目で最終確定の予定です。
これらの提言は最終的には関係官庁や産業界に提言をしていく、流れになります。検討会でも「E.法制度/ルール対応のハードル引き下げ」が主になるという発言がありましたが、法整備が日本eスポーツ産業の発展速度に大きく影響する重要な部分かと思います。
3.社会的意義に関する提言
社会的意義に関する討議テーマは以下です。
- 国民の健全育成・心身の両面にわたる健康の保持増進
- 地域における連帯感の醸成
- 国際的な友好と親善
本テーマもeスポーツ先進国の事例をもとに前回ディスカッションした内容が盛り込まれました。
■具体的な討議内容
(出典:JeSU公式サイト「長期市場目標・市場成長に向けた提言・社会的意義の議題について」)
今回は本テーマで、集中討議が行われました。徳島県の地方創生に関する事例(徳島県のCATV導入世帯90%、”マチアソビ”によるサブカルイベントによる成功事例の共有)や北海道八雲病院の障害者eスポーツ企画の実例を動画を交えて共有頂きました。
その他主だった討議内容を記載致します。
・(教育の観点で自身の体験をもとに)プロを目指すなら英語を学んでおくと良い
・東京eスポーツフェスタでもゲーミングデバイスが公式のコントローラーの使用のみで、障害者が使えるゲーミングデバイス(コントローラー)など使えないため参加できない。障害者に対してはデバイスフリーにするなど個別ルールを設ける等の配慮が必要
・昔はゲーセンがあり、ゲームが上手くなる道があったが、今はゲーセンがなくプロへなるためのしっかりとした道筋がない。新しい道筋を作ってほしい。
・現状ゲームと勉強は相反するものと捉えられている。しかし北米ではゲームによる集中力などが上昇するという論文が既に出ている。
これらの討議内容で最終的な提言事項を纏められます。
■次回開催日
第5回は以下日程で開催です。
日時:2月18日(水) 16:00〜17:00
場所:東京証券会館(〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1丁目5−8)
以上、今後も注目の検討会です。
e-Sports TODAY編集部