【第1回】日本eスポーツ連合(JeSU)検討会内容レポ3(9/24)

こんにちわ。

eスポーツの環境問題にセクシーに取り組みたいTODAYの進次郎です。

 

さて、前回(その2)のつづきです。

今回は検討内容②eスポーツの社会的意義について国内の認識・取組の現状、課題、今後の展望等の整理・検討です。

eスポーツの社会的意義について国内の認識・取組の現状、課題、今後の展望等の整理・検討

eスポーツの「産業」という観点で様々な領域への経済効果が考えられます。

各委員よりたくさんの熱く興味深い意見がでてました。

以下のJeSU抜粋の図を踏まえ、各委員の気になった意見を以下に記載します。

※検討会の議事録はJeSUからオフィシャルに公表されるようです。メモが誤っている可能性もありますので、最終的には公式HPの議事録を参照ください。

■JeSU委員の気になった意見抜粋

■加藤貴弘氏 (徳島県「eスポーツ」推進タスクフォース・主宰)

・eスポーツを野球やサッカーのように身近でやっている人がいない。

・徳島県は、イベントを開催しており、たぬかなさんにも出席いただいたり比較的身近に感じる。

・この「身近」であることが重要で、何度もイベントをやっていくことで市場規模が拡大していくことになる。

・徳島県で保護者の方や学校関係者とも会話する機会があるが、eスポーツのクラブの指導者や顧問をお願いすると「ゲームですか。」との反応があり、リアルスポーツとの差を感じる。

・国がeスポーツを支援するなど、後ろ盾があると進めやすい。

 

■高木智宏氏 (西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士)

・ゲームチームやプレイヤーの契約書を見ているが、まだまだお金が回ってないと感じる。

・景品表示法、風営法、著作権などがeスポーツ普及の阻害になってはいけない。トラディショスポーツとの違いを把握しつつしっかりとした対応が求められる。

※トラディショナル=伝統的な、という意味でここではサッカーや野球のことをイメージすると良いとおもいます。

 

■高橋義雄氏 (筑波大学大学院スポーツ健康システム・マネジメント専攻准教授)

・トラディショナルスポーツも、以前は学校教育として扱うものではない時代があった。

・eスポーツも同様のフェーズで、世間からしたらまだまだ得体のしれないものに対する拒否感がある。

・しかしトラディショナルスポーツも研究が進み、健康促進などの効果が分かり、世間に定着していった。

 

■田中栄一氏 (国立病院機構八雲病院)

・eスポーツも遊ぶということがスタートライン。

・学校の運動部やクラブチームとして、eスポーツが当たり前になることが重要。

・海外ではゲームプレイをサポートするボランティア団体が存在し、障害者もゲームをできる環境のサポートが進んでいるが、日本ではまだない。

 

■たぬかな氏(CYCLOPS Athlete gaming所属)

・地方創生が重要。

・プロのeスポーツアスリートを目指す人、なりたい人がどこに進んでいいか環境が整備されていない。

 

■ときど氏(ROHTO Z!所属 東大卒プロゲーマー)

・能力あるプレイヤーガサポートを受けられずにいる。プロゲーマーがもっと食べていける環境にしていきたい。

サッカーは小学校から経験があるので、プロサッカー選手のプレイがすごいことが分かる。然し、ストⅤでどれだけ素晴らしいプレイをしても、何がすごいのか分からない。eスポーツの土壌がないことが要因だと思うが、低学年からeスポーツを経験させる環境があると良い。

 

■豊田風佑氏(一般社団法人Gaming Comminutiy Network代表(以下、GCN))

・GCNは①日本国内でゲームを楽しめる環境作り②ゲーマーの仕事を創る③ゲームイベント開催の支援を行っていく。

・ゲームイベントの開催もサッカーや野球と違い、ゲームメーカーの著作権の問題で開催できないこともある。

・プロゲーマーのライセンス獲得についても、メリット・デメリットをきちんと議論し整理したい。

 

■松本順一氏(株式会社JCG代表取締役)

・IPホルダーが興行権を抱えてしまっている。

・eスポーツ産業普及を考えるとビジネス面でオープンライセンスでやっていき、メーカーと共存していくことの検討が必要。

 

■山地康之氏(一般社団法人コンピューターエンターテインメント協会事務局長)

・TGCのアンケートでは50%以上の人が初参加だった。ゲーム産業も裾野が人がっていると感じる。

・競技性がeスポーツの質を高めるドライバーとなるが、大会の演出面も重要なドライバー。

・ライセンス(著作権)の問題もあるが、IPホルダーとしては、オンラインで対戦できるネットワークの環境やゲームバランスのアップデートなど、運用コストがかかっている。

・その為、単純にオープンライセンスにしていくだけでなく、IPホルダーにどういった対価を提供してけば良いかも検討材料である。

 

■小林大祐氏(日本テレビ「eGG」プロデューサー)

・テレビの現場はゲームを扱うのは、ライセンスの関係でやりたくない分野。TV業界でも敬遠される分野だった。

・ライセンス(著作権)関連の交通整理が進むと、テレビでも放送しやすくなりとても有難い。

 

以上です。

中でも興味を引いたのは、大きく3つ。

■興味を引いた話

(1)ゲーム業界にお金がまわっていない?

1つ目は、高木弁護士がおっしゃっていた「お金がまわっていないと感じる」部分。具体的な金額まではわかりませんが、ときど選手も能力あるプレイヤーがサポートを受けれていないとおっしゃっていました。実際大会の賞金をもらえるのもごく一部ですし、チームの所属していても海外遠征の交通費を支給する代わりに、優勝しても賞金は何対何などの取り決めがあるようです。本検討会を通じで改善できるようにして期待したいと願います。

 

(2)eスポーツが身近じゃない?

2つ目は加藤氏がおっしゃっていた「eスポーツを野球やサッカーのように身近でやっている人がいない」点。この発言はハッとしまいた。昨年からeスポーツが盛り上がっているように感じますが、たしかに身近にやっている人がいない問題はありますね。例えばサッカーや野球は、学校の体育やクラブ、またうまくなりたい人は地元のクラブチームに所属したりできます。公園や河川敷でも遊んでる人も見かけたりしますし、野球やサッカー大会はよく開催されています。然し、eスポーツはどうでしょうか。学校の授業やクラブであるところはまだまだ多くはありませんし、地元にゲームチームやコミュニティも(とくに地方は)あまりないと思います。つまるところeスポーツとしての土壌がまだ形成されていない、と言えると思います。どきど氏やたぬかな氏もおっしゃっていますが「プロのeスポーツアスリートを目指す人・なりたい人がどこに進んでいいか環境が整備されていない。」に通じますね。この課題に対してJeSUとしては既存の「エコシステム」をeスポーツに適用できるのではと考えているようです。(以下JeSUより抜粋)

それからもう1点。野球やサッカーは、ボールやバットを買えば、だれでも遊べるし大会も開けますが、eスポーツの場合、大会開催にあたってはメーカーの許可が必要であったり、ライセンス(著作権)の問題がでてきます。なので当検討会では「オープンライセンスに」という発言がいくつかありますが、メーカー側もボランティアで作っているわけではないので、メーカー側に何かしらの対価が必要だよね、といった話がでてくるわけです。

このゲームコミュニティ問題や大会運営については、当検討会委員の豊田氏がGCNを立ち上げ、既に取り組みされています。(GCN: https://gcn.or.jp/ )

 

(3)興業性が足りない?

CESA山地氏がおっしゃっていた「eスポーツ産業として普及していくには演出面も重要」部分ですね。具体的には既存のスポーツと比較すると分かり易いのですが、例えばプロ野球ではマスコットキャラクターがいて、7回にはチアリーディングチームの応援があるわけです。スタジアムやドームに観戦しに来た人は、チームのグッズを購入したり、ビールや唐揚げを片手に飲食を楽しみながら応援できます。一方でeスポーツの大会は、とくにキャラクターがいるわけでもなく、チアリーディングチームがあるわけでもありません。また飲食が充実しておらず、観戦中は持参の飲み物くらいで、大会が終わった後にお店に食事にでかけるわけです。つまり野球やサッカーのようにファンを楽しませる仕組みが整っていないこと、また飲食環境が整っていないため、本来得れるべき興業収入を得れていない状況になっていると。従い、eスポーツ普及にも演出面(興業性)を考えて実践していくことが重要になってくるということですね。

eスポーツの大会でビールやケンタッキーを販売していたら買うでしょうし、試合休憩の合間にeスポーツとも親和性の高いゲームキャラコスプレイヤーのダンスショーなどあったりすれば、観客を楽しませれますし、ダンスするコスプレイアーの仕事が創造できたり、コスプレイアーを撮影するカメラメマンの集客が期待できたり、産業として広がりそうですよね。

 

■終わりに

今回の検討会で様々な課題が見えてきましたが、それ自体が良いことなので、今後のJeSUの活動に期待してきたいと思いますし、私自身もeスポーツ普及に貢献できるよう情報を発信していきたいと思います。

以上です。

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