ブリザード・エンターテイメントが、現地時間9月12日に開かれた「BlizzCon 2026」の開幕式で、『StarCraft』シリーズの最新作を発表した。公式が示した情報は「ストーリー主導のオープンワールドシューター、2030年」という短いもので、シリーズの土台だったリアルタイムストラテジー(RTS)ではないことが明示されている。

30年続いたジャンルからの転換

『StarCraft』は1998年に発売された宇宙を舞台のRTSで、3つの種族を選んで資源を集め、部隊を編成して相手の拠点を落とす対戦型のゲームとして知られてきた。続編の『StarCraft II』は2010年に発売され、シリーズ通してRTSというジャンルそのものの代表格として扱われてきたタイトルにあたる。

今回発表された最新作は、その形を大きく変える。プレイヤーは地上に降りて世界を歩き、探索と戦闘を行うという構成が示されており、俯瞰視点で部隊を操作するRTSの操作系からは離れる。発売予定は2030年と、発表時点で4年近く先が案内されている。

ブリザードは同じ開幕式で、『Diablo』シリーズや『World of Warcraft』の新作・大型拡張もあわせて発表している。BlizzCon 2026 は現地9月12日から13日にかけてアナハイム・コンベンションセンターで開催されており、会場では国別対抗戦「Overwatch World Cup 2026」の決勝トーナメントも行われている(関連記事)。

RTSの競技シーンはどうなっているか

この発表がeスポーツの文脈で注目されるのは、RTSの競技シーンがここ数年で大きく縮小してきたためだ。

『StarCraft II』の競技シーンは、韓国の「Global StarCraft II League(GSL)」を中心に長く続いてきた。一方で、大会運営会社 ESL が展開していた世界規模のサーキット「ESL Pro Tour」は2025年に終了したと報じられており、2026年の「Esports World Cup」でも競技タイトルから外れている。GSL についても、2026年シーズンはクラウドファンディングによる資金集めを伴う形で運営されていると伝えられている。

BlizzCon 2026 でも『StarCraft II』は、『Warcraft III』や『ヒーローズ・オブ・ザ・ストーム』と並ぶ「クラシック」の枠での企画として扱われており、現行の主力タイトルとは別の位置づけになっている。

もっとも、シリーズ最新作がRTSでないことと、既存の『StarCraft II』の競技シーンが今後どうなるかは別の問題であり、ブリザードは既存タイトルの扱いについて今回の発表であわせて説明していない。パブリッシャーの方針が競技シーンの寿命をどう左右してきたかは、コラム「競技シーンはなぜ終わるのか」でも整理している。